猫の尿石症について

川越市・さいたま市のアリス動物病院です。

今回は猫の尿路結石症についてお話しします。

尿路結石症は尿石症とも言われ、猫の泌尿器疾患の中で多い病気のひとつです。腎臓→尿管→膀胱→尿道といった尿路のどの場所に結石ができるかによって、その症状や緊急性は異なります。結石が尿管に詰まってしまうと、激しい痛みを伴うことが多かったり、尿道に詰まってしまい排尿できない場合も短期で命に関わってしまう状況になります。

どうして尿路に石ができてしまうのか?不思議に思われる方も多いかと思います。主に食事で過剰に摂取されたミネラル分が尿に出て長時間留ってしまったり尿が濃縮していたり、感染を起こすなどで結石が形成されます。

猫にみられる尿路結石で代表的なものは以下の3つになります。

①ストルバイト
5歳未満の若猫でも多く、マグネシウムを多く含んだ食事や尿濃縮、尿路の細菌感染などが原因となります。検査では結晶の多くは四角くカットされた宝石のようにも見えます。この結石は一度形成されても、食事療法で溶かすことが可能です。

②シュウ酸カルシウム
中~高齢の雄猫でも多く、ナトリウム、カルシウム、シュウ酸を多く含む食事やお水を飲む量が少なかったり肥満などの体質が原因のひとつとされています。検査では結晶の多くはピラミッドみたいに見えます。この結石は溶解することができないため一度大きく成長すると、外科的に摘出する必要があります。この結石に対応した食事の管理も大切になります。

③尿酸塩
上記2つの結石と比べて発生率は低いですが、この結石が存在する場合は何らかの基礎疾患を持っていることが多いため、さらなる診察が必要になります。

これら尿路結石症の予防には飲水量を増やすことが大切です。そうすることで尿量が増え、尿中の結石の成分も薄くなります。特に冬場は飲水量が減ったり、活動性が落ちたり、排尿を我慢する状況が続くため、より注意が必要です。またおやつで煮干しなどのミネラル分の多いものを多量にあげているのであれば、食事内容を見直す必要があります。

これら尿結石症の管理には対応した処方食が効果的です。
ご不明な点がございましたら、お気軽にお尋ねください。

(C) 20201012

ブログTOP
アリス動物病院(川越市・動物病院)

犬の食事性アレルギーについて

川越市・さいたま市のアリス動物病院です。

 

こんにちは。
今回のコラムは、【犬の食事性アレルギーについて】です。

犬のアレルギーでよく見られるのは主にノミやダニのアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの3つのタイプとされます。

食事アレルギーは、人と同じように食事に含まれる成分に対するアレルギー反応のことを言います。一般的なアレルゲンは、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、乳製品、穀類(小麦、大豆、とうもろこし)などです。体内の免疫系が特定の成分を異物と認識し、それを排除しようとすることで炎症が起こります。そのため、季節に関係なく症状が生じます。

代表的な症状として皮膚の疾患が知られています。具体的には身体をかゆがる・脱毛する・慢性的な下痢や嘔吐・顔や耳の内側や股の内側に赤みが出ているなどが挙げられます。

治療としては、原因となっている食べ物を与えないことで症状は出なくなります。
食事アレルギーは、フレンチブルドック、柴犬、ダックスフント、チワワなどで好発しますが、どの犬種でも報告されています。
当院では、食事アレルギーの疑いがあるワンちゃんには血液検査によるアレルギー検査の外部発注も行っております。食事アレルギー以外にもそれぞれの子にあった食事の提案も行っておりますので、気になる方はご相談ください。

 

 

 

 

 

 

(Y) 20200927

 

ブログTOP
アリス動物病院(川越市・動物病院)

横隔膜心囊膜ヘルニア

川越市・さいたま市のアリス動物病院です。

今回は横隔膜心囊膜ヘルニアという少し珍しい症例が続きましたので、ご報告します。

これは一般的に生まれつきの病気になります。

お腹の臓器が胸部(心肺のエリア)と腹部(肝腎消化器のエリア)を分ける膜(横隔膜)を突き抜けて胸の中の心臓を包んでいる膜(心膜)の中に入り込んでしまっている状態の病気です。

心膜の中は、心臓とお腹から潜り込んできた臓器がギューッと押し合った状態になります。
ですので、疲れやすく呼吸が苦しく、開口呼吸や努力呼吸を行うことも多いです。

突然死を引き起こすことも多い病気で、大人まで育たないことも多いです。

診断はX線(レントゲン)検査を行うことが一般的です。

写真を載せましたが、普通なら横隔膜によってしっかりと分かれている腹部と胸部が繋がって見えます。

造影剤を飲んだ後に撮ると、普通ならお腹の中に映らなければいけない白い影が、胸の中の心臓と重なって見えるので、一目瞭然です。

今回は当院にて手術を行いとても元気にしてあげることができました。

心当たりの方、まだ検診を受けていない方、一度確認してみることをお勧めします。

引き続き健診プランも受け付けています。

お気軽にご相談ください。

横隔膜心嚢膜ヘルニア

 

ブログTOP
アリス動物病院(川越市・動物病院)

フィラリア冬予防

川越市・さいたま市のアリス動物病院です。

すっかり寒くなってきましたが、こんな気温にも関わらず、
時々まだ見ませんか?…蚊!

今回はフィラリアの冬予防(冬処方)について
お話します。

わんちゃんを飼っている殆どのオーナー様が、
春先から秋にかけて、既にフィラリアの予防はされているかと思います。

しかし、最近では12月を過ぎても蚊が生存していたり、
暖かい室内への侵入により冬でもフィラリアに感染するリスクがあります。

最近では、飲み忘れの心配がない、
一度注射して1年間予防ができる予防剤が登場して大変好評です。

冬から(通年)投与にして習慣化することにより、
お薬の飲み忘れによる予防のミスも減らすことができます。

さらに 予防時期の混雑を避けられる他、
診察相談の時間も比較的しっかり取れますし、
予防の手軽さに従来の飲み薬からお注射に切り替えている方が増えています。

春先は混合ワクチンや狂犬病など、他の予防医療で一気に費用がかかるので、冬にお注射でフィラリア予防を済ませておくことで、金銭的負担を分散できます。

フィラリア症の冬予防(冬処方)です。

数年前から当院ではこの冬予防(冬処方)をお薦めしています。

ぜひ一度ご相談ください。

ブログTOP
アリス動物病院(川越市・動物病院)